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断熱欠損しやすい「筋交い」部分の断熱材を施工するということ

    師走になりいよいよ冬本番を迎え、
    ここ岐阜県でも2021年12月19日現在はとても寒い日となっています
    年末もまた冷え込みが厳しくなるようですが、
    N Styleホームのモデルルームは今日も、6帖用の壁掛けエアコン1台、設定温度25度で
    どの部屋もすこぶる快適で半袖半ズボンでくつろぐことができています

    先週からの続きで関市 K様邸の断熱材の施工がようやく完了しました
    ちなみに、N Styleホームの断熱材の施工と気密工事は、
    職人さんに丸投げするのではなく、私自身が施工をさせていただいておりますので、
    徹底的にこだわって施工にあたらせていただいています


    建物を地震に強くするために必要な構造用面材と筋交い

    N Styleホームでは
    「許容応力度計算」による耐震等級3を標準としています
    基本的には構造用面材で壁倍率をとり、家を固める手法を取っていますが、
    建物の形状によっては構造用面材にプラスして筋交いを使用し、耐震性能を上げることになります
    ちなみに壁倍率のことを少しだけ説明します

    壁倍率は、耐力壁の強さを数値化したものであり、壁倍率が大きいほど、耐力の大きな壁です
    壁倍率1より、壁倍率2の壁が、地震への抵抗力が強いということになります
    木造建築は、風圧力や地震力に対して、耐力壁で抵抗し、
    壁倍率をうまく使えば、効率的に耐力壁を配置できます
    例えば、
    土壁塗の耐力壁4枚分=4.5cm×9.0cmの木材による筋交い
    は、同等の耐力を持ちます

    以下に壁倍率表の一覧を記します

    種類工法倍率
    壁によるもの(a)土壁塗0.5
    (b)木ずり等を打った壁
    (片面のみ)
    0.5
    (c)木ずり等を打った壁
    (両面のみ)
    1.0
    筋交いによるも(d)厚さ1.5cm×幅9cmの木材1.0
    (たすき掛けは2.0)
    (e)径9mmの鉄筋1.0
    (たすき掛けは2.0)
    (f)厚さ3cm×幅9cmの木材1.5
    (たすき掛けは3.0)
    (g)厚さ4.5cm×幅9cmの木材2.0
    (たすき掛けは4.0)
    (h)9cm角の木材3.0
    (たすき掛けは5.0)
    併用したもの(i)(a)~(c)と(d)~(g)の併用それぞれの倍率の和
    面材を釘打ちした壁JAS構造用合板
    厚さ7.5mm以上
    2.5

    となります


    筋交いやホールダウン金物の部分にできやすい断熱材の隙間

    断熱性能の事だけ、または断熱材の施工のしやすさを考えれば、
    この筋交いがあることは好ましくありません
    ですが、大切な住まいを守るために、そしてそこに住むお客様の夢が詰まった間取りを達成するためには
    建物の耐震性能を損なってはいけません

    省エネ性能・耐震性能のどちらかだけを優先するのではなく、両立させることが必要です
    ですからこの筋交いはほぼ100%の建物に存在します

    ですが、この筋交いが断熱材の施工には大きく影響を与えます

    写真のようにこの柱と柱の間に4.5cm×9cmの木材が斜めに入っているため
    (※写真では筋交いが「クロス」して入っています)

    普通に断熱材を施工するだけでは断熱材が行き渡らず、最悪の場合ある特定の箇所に
    「無断熱の層」ができる可能性があるのです
    筋交いのない構造用面材だけで構成されている壁であれば
    断熱材の施工性は容易ですが、
    壁倍率2.0倍の片側だけの筋交いでも作業に関する施工性は下がり、
    たすき掛けの4.0倍の場合は断熱材施工の難易度はさらに上がります

    断熱材を施工する私自身の心の声は
    「たすき掛けの筋交いか…」と正直心が折れそうになることもありますが、
    耐震性能と断熱性能
    どちらも性能を落としたくない私は、この1カ所に約30分~45分かけて
    断熱材の充てん作業を行います
    筋交いのない壁であれば、断熱材の施工は1カ所につき、2~3分あれば終えられますので
    実に15倍以上の時間をかけて施工をするわけです(笑)

    決して職人さんのことを悪くいう意図はありませんが、
    造作工事を含め、大工さんはたくさんのやることを抱えています
    ある程度の作業効率を大工さんは求めます
    当然ですよね
    ですからこの途方もない断熱材の施工を職人さんに丸投げせずに、
    たとえ時間がかかっても作業は私自身が行う
    という意図があるのです


    実際の筋交い部の断熱材施工

    あらかじめ筋交いの端部には予め断熱材細かくしたものを詰めておきます
    そして高性能グラスウールをまず厚みを均等に割り、厚みが半分のものを作ります
    そしてそれを、筋交いの角度に合わせてカットして充填します

    そしてこれをこのマスに存在する残りのすべての箇所に施工します

    するとこのようになります

    そして先日のブログでも書き記したように、木材が痩せる現象であるセトリングを考慮し
    断熱材の向きを変えて常に断熱材が「広がろう」とする力を発生させるために施工します
    【※参照ブログ】:セトリングを考えて断熱材をこうするということ

    そしてすべての部分にしっかりと断熱材が覆えるように施工をしこれで筋交い部分の作業は完了です

    写真だけを見てもその労力や時間は伝わりづらいと思いますが、
    この1カ所に断熱材を施工するのに約30~45分かかるのです

    普通ならこんな作業は非効率であり、職人さんも匙を投げたくなるくらいの仕事量です
    そして
    「仕上がってしまったら、解体するまでお客様にはわからない箇所」になります

    N Styleホームでは、こうした「できてしまってからでは決して見ることのできない」
    不可視部分にも徹底的にこだわって作業を行い、お客様に安心してお住みいただくことを
    何よりも大切にしています


    手間と時間をかけたからこそ美しい断熱材の施工後の姿


    実際に当社が行った断熱材の施工はいかがでしょう?
    N Styleホームでは長い年月を経ても、その住まいが性能を維持し続けられる
    断熱性能と気密性能を確保できる確固たる技術と経験があります

    ぜひ、本物の高気密高断熱住宅をお探しの方は当社にお気軽にお問い合わせください

    記事を書いたスタッフ

    西村 弥

    N Styleホーム代表取締役の西村です。 20代はプロのラグビー選手として活動し、引退後は建築業に身を置きました。 そこで「高気密高断熱住宅」の可能性に触れ、現在は岐阜県内でもトップクラスの省エネ性能の高い住まいをご提供させていただいています。

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