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6畳用の壁掛けエアコン1台で…ってほんと?

    かつてNスタイルホームでも「6畳用壁替えエアコン1台で年中半袖半ズボンで暮らせる家」というのをお伝えしてきました。
    最近他の工務店様でも同じように6畳用壁掛けエアコン1台で快適な暮らしというのをよく見かけるのですが、なんで6畳用の壁掛けエアコン1台でいいんだろう?って思いません?もちろん「断熱性能」「気密性能」がいいからたった1台のエアコンでいいんだ!というのは感覚的には理解できるのですが、「6畳用」という根拠はどこに…?

    ということで今回はエアコンの選び方と家の燃費についてお話しようと思います。

    そもそもエアコンの「〇畳用」という考え方とは?

    ほとんどの人が6畳用、8畳用といった「畳数」を基準にしてエアコンを選んでいると思います。
    実際に家電量販店の店員さんも「部屋の畳数がどれくらいか、木造建築か鉄筋コンクリート造りか」を聞かれたことがある方も少なくないかと思います。
    この畳数表示とは一体どこから来ているのかご存知でしょうか。
    実は畳数表示というのは、1964年に当時の「木造無断熱平屋住宅」を基準として制定されたもので、その後50年以上もの間、全く変更されていません。

    50年もの間変更されていないというのは驚きですよね。 エアコンも住宅も性能が上がっているというのに…
    現在では、当時とは比較することができないほど高気密高断熱住宅が増えていますから、対応畳数だけに囚われて選ぶと、オーバースペックになってしまうんです。
    よく家電量販店のスタッフに「対応畳数相当か、ワンサイズ大きいものを選びましょう」とアドバイスされることがあると思いますが、これだとまんまとメーカーの策略にはまってしまうようなことになります。 量販店側も売上が欲しいですから、対応畳数よりも小さいものは勧めて来ませんよね。 畳数ばかりあてにすると、このように損をしてしまうこともあるので気を付けましょう。

    大きいエアコンは燃費を悪くする?

    現代の住宅において「〇畳用」というのがあまりあてにならないというのは先ほどお伝えしましたが、じゃあ大きめのエアコンならすべてまかえるからいいのでは?と思いませんか? 昔から「大は小を兼ねる」といいますからエアコンでもその原理が働くのではないかと。
    しかし実はそれは大きな間違いなのです。
    その部屋に対して大きすぎるエアコンを使うことは、渋滞にはまった時の自動車のトロトロ運転と同じこと。
    全く進まないのにエンジンだけかかっているというような状態です。 エアコンに置き換えれば、温度は変わっていないのに、エアコンだけ稼働しているような状態です。

    これが最も燃費が悪い!!

    その部屋に対して大きすぎるエアコンを選べば選ぶほど、
    ・初期費用がかかる
    ・燃費が悪い時間が増え、ランニングコストが上がる

    という悪循環が引き起こされます。
    エアコンを選ぶ際は、適正な容量のエアコンを選ぶことがとても大切なんですね。

    6畳用壁掛けエアコン1台で過ごせる根拠とは

    このようにエアコン選びにはその家にあった最適なサイズが求められます。 大きすぎても燃費を悪化させ、逆に小さければもちろん冷暖房が効かず寒い、暑いという状況が生まれてしまいます。
    そんな中でも6畳用の壁掛けエアコン1台で快適に暮らせるとうたっている会社は何を根拠にそのようにうたっているのでしょうか?

    家の燃費とエアコン選び

    ここで重要になってくるのが「家の燃費」です。
    日本ではあまり聞きなれない家の燃費ですが、ヨーロッパでは「エネルギーパス」が義務付けられています。家を借りたり、購入したりする際、不動産会社はお客様に対して、その家で1年間暮らす場合に必要な冷暖房エネルギーと給湯エネルギーが表示しなければなりません。今時車はもちろんのこと、家電でも燃費が出ているのに一番高額な買い物である住宅においてまだまだ燃費表示がされていないのは不思議でなりませんが実際されていない家が多いのが事実です。

    さて本題に戻りますが、その燃費がわかるとその家にあったエアコン選びができます。
    家の燃費を決定する要素は以下になります。
    •断熱性能
    •日射取得(冬の場合)
    •日射遮蔽(夏の場合)
    •家の大きさ
    •換気
    •気密性

    これらの要素を基に家の燃費を計算することで年間の冷暖房負荷を算出することができます。年間の冷暖房負荷〇〇kwh/年これが小さければ小さい程、燃費の良い家ということになります。(但し、当然大きな家の方が沢山エネルギーを必要としますので大きさの違う家で比較する場合には、前述の数値を家の床面積で割ることで㎡当たりの負荷が算出できます。単位はkwh/㎡になります。)
    つまり冷暖房負荷を小さくすることが、家の燃費を高めるという事になります。

    家の燃費はエアコンの性能で変わる?

    結論からいうと、高性能エアコンを導入することが家の燃費を高めることはありません
    同じ冷暖房能力でも高度なセンサーがついていたり、お掃除機能があったりと付加価値があるものもありますがそのおかげで燃費が良くなるということはありません。逆にそういった機能があるものは金額も高いうえに故障のリスクが高くなります。
    必ずいつか壊れてしまうのであればそういった高性能なエアコンにするのではなくシンプルな安価なものを選択することをおすすめします。

    燃費計算はしているか?

    6畳用の壁掛けエアコン1台でいいとうたっている会社はそもそも燃費計算していないと6畳用のエアコンで大丈夫とはいえないはずということです。
    もし今検討している工務店でそのようにうたっていたらぜひ「家の燃費はどれくらいですか?」と聞いてみてください。
    UA値と一次エネルギー消費量だけでは燃費とは言えません。
    正しい数値と根拠から作り出される家こそ100年後も安心して住み続けられる家といえるのではないでしょうか。 数ある情報の中から正しい知識と選択をして後悔しない家づくりをするためにぜひ聞いていただくとよいでしょう。

    記事を書いたスタッフ

    足立 里穗

    Nスタイルホームの営業・広報の足立です。大切な家づくりをお客様と一緒に楽しくできるよう全力でサポートします!

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